ASSETレポート ~ 資産に関する気になるニュース ~

【茨城相続・報徳メモ】「農地等の贈与税の納税猶予の特例」について

2013年1月18日 金曜日

「農地等の贈与税の納税猶予の特例」について

 

 今回は農地等の贈与についてお話したいと思います。この「農地等の贈与税の納税猶予制度」とは、贈与した農地に係る贈与税を贈与者又は受贈者が死亡するまで免除する制度です。農地の細分化防止の観点から設けられた制度です。主な要件は以下の通り。

 

【要件1】 贈与者及び受贈者の要件

  ・贈与者・受贈者ともに3年以上農業に従事していること

  ・受贈者は贈与者の推定相続人であり、取得日における年齢が18歳以上であること

  ・農業の用に供している農地の全部と牧草放牧地及び準農地の3分の2以上を贈与

 

【要件2】 納税猶予の取り消しとなる場合

  ・農地等の20%以上を譲渡・転用等した場合
   (耕作の放棄や肥培管理されていない部分、家庭菜園、温室の敷地など転用された部分も含む)

  ・3年ごとに継続届出書を提出しなかった場合

  ・農業経営を廃止した場合

 などがあります。仮に上記の取り消し要件に該当した場合には、本税と利子税(年3.6%)を納付しなければなりません。

 

 適用に際しては制度の十分な理解及び慎重な判断、そして農地の適正管理を行っていくことが大切です。

 また前回のコラムで書いたように、相続時精算課税適用者についてもこの「農地等の贈与税の納税猶予制度」の
適用ができますのでご留意下さい(措法通達70の4-36の2)。

【茨城相続・報徳メモ】贈与のお話 ~暦年課税と相続時精算課税

2013年1月10日 木曜日

贈与のお話 ~暦年課税と相続時精算課税

 

 自分の財産を他の人にあげることがあると思います。その時にかかる贈与税について
概要をご紹介したいと思います。

 

 贈与をした時の税金の計算方法には2つあります。

暦年課税」と「相続時精算課税」です。

それぞれは次のようになっています。

 

「暦年課税」

◆1月1日~12月31日 の1年間ごとに贈与税を計算

◆基礎控除額 110万円/年 (その年の贈与額から控除)

◆税率 (超過累進税率:もらった財産額が多いほど税率が高くなる)

 

 例)  2月 3日 Aさんから現金200万円をもらった。

     9月23日 Bさんから現金100万円をもらった。

 【計算】

   (200万円+100万円)-110万円= 190万円

    190万円×税率 10% =19万円・・・・・・・・贈与税額 19万円

 

    

「相続時精算課税」

◆親(65歳以上)から子(20歳以上)への贈与の場合に限り適用が可能です。

◆相続時精算課税はあげる人(贈与者)ごとの選択制。届け出が必要となります。

 選択したらその人からの贈与については、生涯 相続時精算課税の制度により贈与税の計算をすることと
 なります。一度選択すると取り消しはできません。

◆控除額は2,500万円。その人からの贈与額が合計2,500万円以下であれば、その贈与税は0円となります。

◆税率は一律 20%

◆その贈与者が亡くなった場合には、その人から贈与を受けた財産については、相続税の課税対象として
 計算されます。

◆相続時精算課税により財産の贈与を受けた人は、翌年2月1日~3月15日までに贈与金額にかかわらず
 贈与税の申告が必要となります。

 

例) 23年2月 3日 Aさんから現金2,000万円をもらった。

   24年9月23日 Aさんから現金1,000万円をもらった。

    Aさんからの贈与について「相続時精算課税」を選択。

【計算】

   23年:2,000万円―2,000万円=0円    ∴ 贈与税0円

   24年:1,000万円―(2,500万円-2,000万円)=500万円

       500万円×20% = 100万円  ・・・・・・・ 贈与税額 100万円

 

 

 財産を贈与する場合において、「暦年課税」と「相続時精算課税」のどちらを選択したほうが良いかは、
その人の財産の状況や贈与をする事情等を総合的に勘案して判断する必要があります。

 また、不動産等を贈与した場合には、登記費用や不動産取得税等の税金がかかります。

 これらの諸費用がかかることも含めて検討をしていきましょう。

 

 

【茨城相続・報徳メモ】住宅取得の為の贈与を受けた場合の住宅ローン控除

2012年12月28日 金曜日

住宅取得の為の贈与を受けた場合の住宅ローン控除

 

 住宅の取得のために住宅ローンを組んだ場合、要件を満たすことによって、所得税の控除を受けることができます。(初年度は確定申告が必要)

その際に、両親等から住宅取得のために贈与を受けている場合、控除額の計算に注意が必要となります。

 

<具体例①>

住宅の取得価額・・・3,000万円

住宅取得資金の贈与・・・300万円(全額を住宅取得の為に使用)

住宅借入金(年末残高)・・・2,500万円

 3,000万円-300万円-2,500万円=200万円  

 

住宅借入金の額と住宅取得資金贈与額とをあわせても、取得価格を下回る為、住宅借入金の全額2,500万円が住宅借入金控除の対象となります。

 

<具体例②>

住宅の取得価額・・・3,000万円

住宅取得資金の贈与・・・800万円(全額を住宅取得の為に使用)

住宅借入金(年末残高)・・・2,500万円

 3,000万円-800万円-2,500万円=△300万円  300万円超過

 

住宅借入金の額と住宅取得資金贈与額とをあわせると、取得価格を上回る為、住宅借入金2,500万円から超過分300万円を引いた額の2,200万円が住宅借入金控除の対象となります

 

   国税庁:住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)  

 

コラムをご覧いただきありがとうございました。今年の更新は今回で最後となります。

皆様、良いお年をお迎え下さい。

 

自筆証書遺言について

2012年12月20日 木曜日

自筆証書遺言について

 

 遺言の種類や作成する上での留意点については、当HPのコラム(6/26付)の通りです。そこで今回はもし自筆証書遺言があった場合に必要な「検認」についてご説明したいと思います。

 

「検認」とは遺言書を家庭裁判所へ持参して、確認をしてもらうことです。最高裁判所HPによれば

 ・相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせること

 ・形状・加除訂正の状態、日付、署名などから遺言書の偽造・変造を防止すること

 ・決して遺言の有効・無効を判断する手続きではないこと

としております。また遺言書に封がしてある場合には、相続人又は代理人の立ち会いのもと開封作業が行われます。決して勝手に開封をしないように下さい(もし開封してしまった場合には5万円以下の過料に処せられる場合がありますのでご注意ください)。

大まかな流れは以下の通り。

 

①(被相続人最後の住所地の)家庭裁判所へ申立

 ※遺言書の保管者又は発見者が申請

        ↓

②検認期日の通知

 ※相続人全員が立ち会う必要はありません

        ↓

③「検認済証明書」の交付

 ※この証明書の交付を受けることで、遺言の執行が可能となります

 

遺言の「検認」件数は、平成13年の10,271件からH23年には15,113件へと1.5倍になっています(「司法統計資料」より)。また最近はエンディングノートの活用などにより遺言が身近になりつつあります。もし発見した場合でも慌てないようにしましょう。

 

相続対策のススメ

2012年12月10日 月曜日

clover相続対策のススメ

 相続対策と一言でいっても多種多様にあります。

一般的な相続対策の第一歩としての流れをご紹介いたします。

 

① ご自身の財産dollarを把握する。  【簡易試算】

 

② 相続税の税額を確認。     【①に基づき試算】

   ・金融資産と税額を検討し、納税が可能であるか確認をしておきましょう。

 

③ 将来のことを考えながら、各種検討。 【相続対策シュミレーション】

   1)遺産分割案の作成

   2)遺産分割に基づく各人の税額確認

   3)二次相続も合わせた最適試算

   4)各人の納税やその後の生活を検討しながら、遺産分割案や相続対策の検討

 

④ 相続対策の実施。

   ・遺産分割対策

   ・節税対策

   ・納税対策

 

⑤ 定期的に経過を確認(見直し)

 

 

 税額がかからない場合でも、将来の相続のことを考えておくことはとても大切です。

 分割でもめてしまうケースや、分割の仕方によっては今回相続税の負担がなくても、将来相続税の負担が発生してしまうこともあります。

末永く家族仲良く過ごしていけるよう、大切な思いを遺していきましょう。

国は相続税について増税する方向で検討しています。「うちは相続税は関係ない」と考えている方もまずは対策を誤らないよう、税理士法人報徳事務所にお気軽にご相談下さい。

 

退職手当金等を遺族の方が受け取った場合

2012年11月30日 金曜日

退職手当金等を遺族の方が受け取った場合moneybag

 退職手当金等と相続税

在職されていた方が亡くなられた際に、勤務していた会社等から支給される退職手当金や功労金(以下退職金等)を遺族が受取った場合、3年以内に支給が確定しているものについては、相続税の課税対象となります。

ただし、相続人等が受け取った場合、一定額は非課税になります。

 

<非課税限度額の計算式>

  500万円×法定相続人の数
       ※法定相続人には放棄した者も含む 

 

また、弔慰金・花輪代を受取った場合、業務上の死亡の場合は普通給与の3年分、業務上以外の死亡の場合は普通給与の半年分が非課税となります。

 

clip納税資金の対策として活用

会社を経営されている方などは、退職金等の相続税の非課税規定を相続税の納税資金対策として活用することもできます。

 

例えば…

  法人で生命保険金の契約 

     ↓

   経営者等が死亡

     ↓

   死亡退職金を法人が生命保険金を受け取り遺族へ支払い

     (不相当に高額でない場合、法人は損金で処理・遺族は非課税枠を利用できる)

  

「おしどり贈与」について

2012年11月20日 火曜日

『おしどり贈与』についてchickchick

  皆さんは「おしどり贈与」をご存知でしょうか?
これは名前の通り、夫婦間で行われる贈与について認められている特例です。具体的には、婚姻期間が20年以上の夫婦間(内縁関係を除く)において、居住用の不動産又は居住用の不動産を取得するための金銭を贈与した場合には、2,110万円(内110万円は基礎控除)まで贈与税を課さないという特例です。

例えば、ご主人名義の時価4,000万円の居住用不動産houseを、持分の2分の1を奥様に贈与するなどして利用します。

留意点として

・贈与税の申告が必要

・贈与を受けた居住用不動産に翌年3月15日までに現実に住んでいること。また引き続き住む見込みであること

・同じ配偶者からは一生に一度しか適用を受けられないこと

・不動産取得税・登録免許税が課税されること

 ※登録免許税の税率 :贈与による取得2.0%、相続による取得0.4%

  不動産取得税の税率:   〃    3.0%、   〃    0%

などがあります。

 

 相続対策の基本は「資産を分散させる」又は「資産の評価を下げる」のいずれかです。「おしどり贈与」は前者に該当します。但し諸状況により全ての相続について「おしどり贈与」が有効になるとは限りませんが、人生最大のプレゼントpresentとして検討してみてはいかがでしょうか?

 

※「資産の時価を下げる」事例として・・・

  現金1億円 ⇒ これを原資に建物を建てると7,000万円程度の評価となります
           (固定資産税評価額は時価の7掛のため)

 

小規模宅地等の特例(その2)

2012年11月9日 金曜日

小規模宅地等についての相続税の課税価格計算の特例 (その2)

 相続税では、相続税の軽減を図るため、生活に必要な一定の部分について、課税価格を減額する特例があります。

10月10日に、被相続人が「住んでいた」ところや「仕事を営んでいた」ところ、被相続人と一緒に生活を営んでいる親族が「住んでいる」ところや「仕事を営んでいる」ところの4つが該当する可能性があることをご紹介させて頂きました。

今回は、「被相続人が仕事を営んでいたところ」= 被相続人の事業用 の土地等に注目をしてみたいと思います。

 

例えば・・

個人で工場を経営していた 10,000万円 500㎡ の土地がある場合には

 

    10,000万円×(400㎡÷500㎡)×80%= 6,400万円

 

 6,400万円について評価額減額の適用を受けることが出来ます。

 税率が30%であれば、1,920万円の相続税の軽減となります。 

     

参考: 被相続人の事業用の土地等           

1)個人商店     → 店や工場等 事業を営んでいる土地等    

2)不動産の貸付業  → アパートやマンションの土地等       

3)同族会社の事業用 → 会社を営んでいる一定の土地等(賃貸している場合に限る)

 

 (区分)   (限度面積)   (減額割合)

 事業用    400㎡まで  80%減額(不動産貸付業等 200㎡ 50%)

 

sign01 限度面積等 の適用関係 をまとめると 次のようになります。

個人事業(不動産貸付以外)           → 400㎡まで  80%減額

不動産貸付業                  → 200㎡まで  50%減額

不動産貸付 :同族会社事業用(不動産貸付業除く)→ 400㎡まで  80%減額

使用貸借  :同族会社事業用          → 適用なし 

 

3)同族会社の事業用 でこの特例が適用できる場合は、賃貸借に限られています。

「タダ」で貸し付けし、同族会社の事業用に利用している土地等は評価減の適用対象とすることができません。つまり、法人設立当初から地代家賃をもらわないこととしている場合や、経営の悪化や誤った節税対策等により地代家賃をもらわないこととしている場合には、その土地等については、事業用であってもこの規定の適用を受けることは出来ないのです。

 

地代家賃等の設定・改定等には、いろいろな税金の問題が生じることもありますので慎重に検討を行いましょう。

不動産については、総合的な判断が必要です。不利益とならないよう、必ず資産税に強い専門家に相談しましょう。

 

(上記は概要です。細かな他の要件を満たす必要があります。)

(詳しくはこちら http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm)

 

事業承継税制の要件緩和の要望

2012年10月30日 火曜日

事業承継税制の要件緩和の要望

 先月、経済産業省が平成25年度の税制改正の要望に※1事業承継税制の見直しを盛り込みました。事業承継税制は主に、中小企業の後継者が、事前に経済産業大臣の認定を受けている非上場株式等を先代経営者から相続・贈与により取得した場には、非上場株式等にかかる相続・贈与税の一部もしくは全額の納税が猶予される制度です。

しかし、適用条件・継続要件等が厳しいため、積極的に利用する経営者の方は少ないのが現状です。
 

<適用条件の見直し>

  現行制度   要望
・親族からの非上場株式の承継に限る。 ・親族外承継を対象。
・先代経営者が役員を退任している必要がある。 ・先代経営者が代表者を退任していることに緩和。

 

<事業継続要件の見直し>

  現行制度   要望
・適用後5年間は雇用を8割以上維持することが必要。維持ができない場合は打切り。 ・5年間の平均で判定し、未達成の場合は下回った部分を納税に変更。

 

<納税免除要件の見直し>

  現行制度   要望
・後継者死亡又は会社の倒産時点で免除。     ・5年経過後に納税猶予額を免除に変更。

 

以上の要望が実現されれば、猶予の打切りによる納税のリスクも軽減され、適用できる中小企業も増加するため、事業承継の対策としておすすめできる制度になるといえるでしょう。

 

※1現行の事業承継税制の適用要件等

<適用の条件等>

1、 会社の主な要件

  ・経済産業大臣の確認及び認定を受けた中小企業者であること

   ※確認は相続の発生及び贈与前に受ける必要があります。

  ・常時使用する従業員が1人以上であること

  ・資産保有型会社又は資産運用型会社で一定のものに該当しないこと    

  ・特別の関係にある会社(租税特別措置法施行令第40条の8第6項に規定する会社)が
   中小企業であること  など

2、先代経営者の主な要件

  ・会社の代表権を有していたこと

  ・役員を退任すること

  ・同族関係者と合わせて発行済み株式の50%超を保有し、かつ、後継者を除いて
   同族関係者の中で筆頭株主であること など                                                                       

3、経営承継人の主な要件

  ・先代経営者の親族であり20歳以上であること

  ・会社の代表者権を有していること

  ・同族関係者と合わせて発行済み株式の50%超を保有し、かつ、同族関係者の中で
   筆頭株主であること    など

4、事業継続要件(5年間)

 申告期限の翌日から5年を経過する日又は、後継者の死亡の日のいずれか早い日までの期間を経営承継期間とし、期間中もしくは期間終了後に以下の要件等に該当しなくなった場合には、納税猶予が打ち切りになり、利子税と合わせて猶予税額を納付する必要があります。

  ・会社の代表者権を有していること

  ・雇用(従業員数)の8割以上を維持していること (経営承継期間のみ)

   ・相続した対象株式を継続保有していること                                      など

相続税を取り巻く現況について

2012年10月19日 金曜日

相続税を取り巻く現況についてmemopencil

  平成23年度税制改正で行われた国税通則法の改正が、来年1月1日より施行されます。これによれば税務調査手続等の明確化や更正の請求の見直しがされる一方で、租税罰則の強化もされております。また平成25年12月31日現在で合計5,000万円を超える国外財産を所有している場合には、「国外財産調書」の提出(翌年3月15日期限。不提出・虚偽記載の場合には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)となります。毎年の提出に注意したいところです。

 

 ところで、昨今の相続税の税務調査の実態について、お伝えしたいと思います。以下法人税と比較しております。

 

    【相続税】               【法人税】

     平成21年度  平成22年度     平成21年度 平成22年度

調査率   29.9%     27.5%       5.0%   4.5%

非違率   84.7%     82.5%       71.9%         72.0%

  ※1 調査率とは、全申告件数のうち調査を実施した率 

  ※2 非違率とは、調査した件数のうち、申告に誤り等があった率

                 『国税庁ホームページ 「報道発表資料」を編集』

 

 ご覧の通り相続税の申告をすることで税務調査は必ずあると思って頂いた方が良いかと思います。また相続税申告で誤り(漏れ)が多い財産は、現預金が33.8%(平成22年度)で最も多くなっております。