2012年10月

事業承継税制の要件緩和の要望

2012年10月30日 火曜日

事業承継税制の要件緩和の要望

 先月、経済産業省が平成25年度の税制改正の要望に※1事業承継税制の見直しを盛り込みました。事業承継税制は主に、中小企業の後継者が、事前に経済産業大臣の認定を受けている非上場株式等を先代経営者から相続・贈与により取得した場には、非上場株式等にかかる相続・贈与税の一部もしくは全額の納税が猶予される制度です。

しかし、適用条件・継続要件等が厳しいため、積極的に利用する経営者の方は少ないのが現状です。
 

<適用条件の見直し>

  現行制度   要望
・親族からの非上場株式の承継に限る。 ・親族外承継を対象。
・先代経営者が役員を退任している必要がある。 ・先代経営者が代表者を退任していることに緩和。

 

<事業継続要件の見直し>

  現行制度   要望
・適用後5年間は雇用を8割以上維持することが必要。維持ができない場合は打切り。 ・5年間の平均で判定し、未達成の場合は下回った部分を納税に変更。

 

<納税免除要件の見直し>

  現行制度   要望
・後継者死亡又は会社の倒産時点で免除。     ・5年経過後に納税猶予額を免除に変更。

 

以上の要望が実現されれば、猶予の打切りによる納税のリスクも軽減され、適用できる中小企業も増加するため、事業承継の対策としておすすめできる制度になるといえるでしょう。

 

※1現行の事業承継税制の適用要件等

<適用の条件等>

1、 会社の主な要件

  ・経済産業大臣の確認及び認定を受けた中小企業者であること

   ※確認は相続の発生及び贈与前に受ける必要があります。

  ・常時使用する従業員が1人以上であること

  ・資産保有型会社又は資産運用型会社で一定のものに該当しないこと    

  ・特別の関係にある会社(租税特別措置法施行令第40条の8第6項に規定する会社)が
   中小企業であること  など

2、先代経営者の主な要件

  ・会社の代表権を有していたこと

  ・役員を退任すること

  ・同族関係者と合わせて発行済み株式の50%超を保有し、かつ、後継者を除いて
   同族関係者の中で筆頭株主であること など                                                                       

3、経営承継人の主な要件

  ・先代経営者の親族であり20歳以上であること

  ・会社の代表者権を有していること

  ・同族関係者と合わせて発行済み株式の50%超を保有し、かつ、同族関係者の中で
   筆頭株主であること    など

4、事業継続要件(5年間)

 申告期限の翌日から5年を経過する日又は、後継者の死亡の日のいずれか早い日までの期間を経営承継期間とし、期間中もしくは期間終了後に以下の要件等に該当しなくなった場合には、納税猶予が打ち切りになり、利子税と合わせて猶予税額を納付する必要があります。

  ・会社の代表者権を有していること

  ・雇用(従業員数)の8割以上を維持していること (経営承継期間のみ)

   ・相続した対象株式を継続保有していること                                      など

相続税を取り巻く現況について

2012年10月19日 金曜日

相続税を取り巻く現況についてmemopencil

  平成23年度税制改正で行われた国税通則法の改正が、来年1月1日より施行されます。これによれば税務調査手続等の明確化や更正の請求の見直しがされる一方で、租税罰則の強化もされております。また平成25年12月31日現在で合計5,000万円を超える国外財産を所有している場合には、「国外財産調書」の提出(翌年3月15日期限。不提出・虚偽記載の場合には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)となります。毎年の提出に注意したいところです。

 

 ところで、昨今の相続税の税務調査の実態について、お伝えしたいと思います。以下法人税と比較しております。

 

    【相続税】               【法人税】

     平成21年度  平成22年度     平成21年度 平成22年度

調査率   29.9%     27.5%       5.0%   4.5%

非違率   84.7%     82.5%       71.9%         72.0%

  ※1 調査率とは、全申告件数のうち調査を実施した率 

  ※2 非違率とは、調査した件数のうち、申告に誤り等があった率

                 『国税庁ホームページ 「報道発表資料」を編集』

 

 ご覧の通り相続税の申告をすることで税務調査は必ずあると思って頂いた方が良いかと思います。また相続税申告で誤り(漏れ)が多い財産は、現預金が33.8%(平成22年度)で最も多くなっております。

 

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

2012年10月10日 水曜日

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 (概要)

 最低限生活に必要な一定の土地については、相続人の相続後の生活等を考慮して、相続税の課税価格を軽減する規定が設けられています。

具体的には、「被相続人」と「被相続人と一緒に生計をたてていた親族」の「住んでいるところ」と「収入の糧となっている場所」の2つであり、相続時から申告期限までそれぞれのタイミングで、全ての要件を満たしたものが適用対象となります。

 

主な限度面積や減額割合は、

 (利用状況)      (限度面積) (減額割合)

  居住用          240㎡    80%

  事業用          400㎡    80%

  事業用:貸付      200㎡    50%

となっています。

 

例えば・・

自宅の土地 5,000万円 250㎡ の土地がある場合には

       

     5,000万円×(240㎡÷250㎡)×80%= 3,840万円

 

 3,840万円について評価額減額の適用を受けることが出来ます。

 税率が30%であれば、1,152万円の相続税の軽減となります。

  

特例が適用出来る場合には、相当の税額軽減を図ることが期待できます。

対象となる土地は、建物や構築物の敷地である等、他にも細かな要件があります。

まずは、自宅や事業用(賃貸含む)に利用されている土地の所有者を確認し、該当できる土地があるか否かを確認してみましょう。これらを踏まえて相続対策等をしていくことも大切です。

 

(上記は概要です。 詳しくはこちら http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm