2013年6月

【茨城相続・報徳メモ】団体信用保険付きの住宅ローンと相続

2013年6月28日 金曜日

団体信用保険付きの住宅ローンと相続

 

 亡くなった方に借入(債務)がある場合、マイナスの財産として相続財産から控除することができます。また、亡くなった方が保険料を支払っていた生命保険金は、プラスの財産(みなし相続財産)として相続財産に加算されます。

しかし、団体信用保険付(以下、団信)の住宅ローンの場合は、取扱が違います。団信とは、住宅ローンの返済途中で死亡、高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払う保険です。

 

例 : 団信付の住宅ローン残高が2,000万円残っているAさんが亡くなられた場合

   Aさんが亡くなられた時の団信の保険金

     生命保険会社   →    金融機関(借入先)

             保険金 

     生命保険会社   →    相続人

             支払なし

     受取人は金融機関のため、相続人に保険金は入りません。

     →相続税の課税対象とならない

 

   Aさんが亡くなられた時の住宅ローン

     住宅ローン残高          2,000万円

     団信の保険金          △2,000万円   ローンが完済する

     相続人の債務              0 円  

     →債務控除の対象とならない

                            

団信の保険金の入金は手続き後の為、亡くなられた日時点の金融機関の残高証明書には借入金の残高が記載されている可能性があります。団信加入の有無の確認を忘れずに行ってください。

 

【茨城相続・報徳メモ】保証債務

2013年6月24日 月曜日

保証債務の履行

 

 会社などの代表者になられている方は、銀行からの借入金の保証人になっていることがあるかと思います。もし会社の資金繰りが悪化し、銀行から保証人である代表者の元へ督促状が届いた・・・
このような場合どうしたらよいでしょうか?

 

 ひとつめは手元現金で返済した…この場合、税務上の救済措置はありません。会社へ求償権(立替返済した分を返してもらう権利=返済請求権)を有するのみとなります。

 ふたつめは手元現金がなく、私有地などを売却した代金で返済した・・・この場合、税務上の救済措置が適用できるかもしれません。通常、土地などを売却した場合には、譲渡所得が課税されますが、所得税法64条第2項「資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例」に該当した場合には、譲渡所得が課税されません。具体的に、

 

 譲渡代金の全部又は一部で借入金を返済

 よって生じた求償権の全部又は一部が行使できない

 行使できない損失の額が、不動産所得・事業所得・山林所得の必要経費に算入されていない

 

 場合には、その譲渡所得の金額の計算上なかったものと見なされます。従って求償権行使の可否が適用のポイントとなります(譲渡資産について、居住・非居住・投資等の目的を問わず対象)。
ではの要件である求償権が行使不能か否かの判断についてですが、所基通51-11~51-16及び平成14年に中小企業庁事業部長から国税庁課税長宛「保証債務の特例における求償権の行使不能に係る税務上の取扱いについて」が参考となります(以下要約)。即ち

 

 代表者等の求償権は、他の債権者と同列に扱うことが困難であるため、放棄せざるを得ない状況にあったと
  認められること

 (債務者が)求償権の放棄を受けたとしても、債務超過の状態にあること

 債務超過かどうかの判定は、土地等の評価は時価ベースで行う

 

とされます。しかし所得税法64条第2項を適用するにあたり、以下の状態等が見受けられる場合にはその適用はできませんのでご留意下さい。

 ・債務者が債務超過などの事由により、明らかに求償権の行使が不能と分かっていて保証人となった場合
  (実質的には債務の引き継ぎ等と見なされるため)

 ・保証債務を借入金で行い、その後、資産の譲渡によって借入金を返済した場合
  (ただし資産の譲渡がその保証債務履行の日からおおむね1年以内であれば適用可)(所基通64-5)

【茨城相続・報徳メモ】生前贈与と相続税

2013年6月10日 月曜日

贈与税と相続税の関係について確認してみましょう。

 

 例:「甲」さんは、毎年子や孫に贈与をしていました。

「甲」さんは、平成25年4月に亡くなり、「甲」さんの遺産1億円は子「A」が全て取得しました。

 

これまでの贈与(暦年課税)

  平成23年7月  孫「a」 100万 (贈与税:  0円)

           子「A600万 (贈与税: 82万円)

  平成24年10月  子「B」200万  (贈与税: 9万円)

  平成25年2月  子「A」1,000万 (贈与税: 非課税)

             子「B」1,000万 (贈与税:231万円)

 

相続人 2人 : 子「A」 子「B」

 

この場合の贈与税と相続税は次のようになります。

 

 

◆「甲」に係る相続税の計算 

[相続税額]

  遺産1億円 + 3年以内贈与財産「A」1,600万円 = 1億1,600万円

  1億1,600万円 - 基礎控除7,000万円 = 4,600万円

  相続税 590万 - 子「A」贈与税 82万円 = 508万円 

  子「A」は相続税508万円を申告納税

 

◆子「A」

 子「A」は 相続又は遺贈により財産を取得しているため、「甲」死亡前3年以内の贈与財産は相続税の課税価格に加算=相続税が課税されます。また、相続開始年分(平成25年)は贈与税が非課税となるため、平成25年分の贈与税の申告納税は必要ありません。

  相続税の計算に合算した贈与財産にかかる贈与税については、相続税から控除されることとなります。⇒ 贈与税ではなく相続税で計算! 

 

◆子「B」、孫「a

 子「B」、孫「a」は相続又は遺贈により財産を取得していません。

そのため、贈与税の申告納税のみで課税関係は完結です。

 

まとめ

 通常、贈与があった場合には、贈与税が課税されます。

 その後、贈与した人が亡くなった場合、贈与した人から遺産を取得した人は、

*暦年課税分

・ その贈与者から「3年以内」に贈与により取得した財産は、相続財産に加算 

 (相続税を課税、納めている贈与税額は相続税から控除)

・ 亡くなった年にも贈与を受けている場合には、その年分の贈与税は非課税

  (相続税で課税)

 となります。

 

ポイントは、相続又は遺贈により財産を取得している場合としていない場合とで、税金の取り扱いが異なることです。「B」も少しでも遺産を相続していたら、贈与税でなく相続税となり、税負担はかなり安くなったでしょう。

 体調の変化等により生前に財産を分配(贈与)すること等もありますが、思わぬ税負担を負う結果ならないように注意しておきましょう。

 相続時精算課税を選択した場合のケースはまたの機会に!