保証債務

【茨城相続・報徳メモ】保証債務

2013年6月24日 月曜日

保証債務の履行

 

 会社などの代表者になられている方は、銀行からの借入金の保証人になっていることがあるかと思います。もし会社の資金繰りが悪化し、銀行から保証人である代表者の元へ督促状が届いた・・・
このような場合どうしたらよいでしょうか?

 

 ひとつめは手元現金で返済した…この場合、税務上の救済措置はありません。会社へ求償権(立替返済した分を返してもらう権利=返済請求権)を有するのみとなります。

 ふたつめは手元現金がなく、私有地などを売却した代金で返済した・・・この場合、税務上の救済措置が適用できるかもしれません。通常、土地などを売却した場合には、譲渡所得が課税されますが、所得税法64条第2項「資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例」に該当した場合には、譲渡所得が課税されません。具体的に、

 

 譲渡代金の全部又は一部で借入金を返済

 よって生じた求償権の全部又は一部が行使できない

 行使できない損失の額が、不動産所得・事業所得・山林所得の必要経費に算入されていない

 

 場合には、その譲渡所得の金額の計算上なかったものと見なされます。従って求償権行使の可否が適用のポイントとなります(譲渡資産について、居住・非居住・投資等の目的を問わず対象)。
ではの要件である求償権が行使不能か否かの判断についてですが、所基通51-11~51-16及び平成14年に中小企業庁事業部長から国税庁課税長宛「保証債務の特例における求償権の行使不能に係る税務上の取扱いについて」が参考となります(以下要約)。即ち

 

 代表者等の求償権は、他の債権者と同列に扱うことが困難であるため、放棄せざるを得ない状況にあったと
  認められること

 (債務者が)求償権の放棄を受けたとしても、債務超過の状態にあること

 債務超過かどうかの判定は、土地等の評価は時価ベースで行う

 

とされます。しかし所得税法64条第2項を適用するにあたり、以下の状態等が見受けられる場合にはその適用はできませんのでご留意下さい。

 ・債務者が債務超過などの事由により、明らかに求償権の行使が不能と分かっていて保証人となった場合
  (実質的には債務の引き継ぎ等と見なされるため)

 ・保証債務を借入金で行い、その後、資産の譲渡によって借入金を返済した場合
  (ただし資産の譲渡がその保証債務履行の日からおおむね1年以内であれば適用可)(所基通64-5)